店主の旅行記 ウィーンで蕎麦の種を蒔くNO.5

ウイーン

日本では考えられないソバパーティー

翌 早朝、江川氏はさすがあまり眠れなかった様だ。
すぐ、アネットさんに連絡をとる。

FAXで「武士の魂を忘れてしまったので助けて欲しい」と書いてあったのには 自分のことながら苦笑してしまった。

アネットさんが空港のタクシー会社に電話して、 非番だった運転手さんを呼び出し、めん棒を辻さんが受け取りに行ってくれ、 何とかパーティーのお客様が来るまでには間に合った。

切腹しなければならない不祥事でした。

大使館のお客様は日欧協会のメンバーで、日本にゆかりの人も多く、 かつて芸大の教授をされていたというハンス・カンさんは、 なかなかのそば通らしい。

大使館の好意で年代物のワインが出される。私も一口含んでみたが、

身体中がとろける様な香と甘味、渋味が調和していたのを今でも忘れられない。

それでも、ハンス・カン氏は、そばには日本酒と酒の用意もされる。

茹で上げてアルプスからの冷水に取り、大皿に盛り込んだそばを、

公邸ボーイと呼ばれる蝶ネクタイをしたボーイ三人が運んで行く。

飲み物の外はそばだけという、本当に「そばパーティー」だ。

日本では考えられないパーティー風景。

 

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