店主の旅行記 ウィーンで蕎麦の種を蒔くNO.3

ウイーン

ウイーン、ウルムの宿、そして朝

ロシアを経由してウィーンに着いたのは夕刻、6時10分。時差8時間。
何の検閲もなく入国できるのは大助かりであった。

心躍る気持ちで江川氏の後についてロビーに出ると、 外人風の女性と日本人の女性が花束を持って待っていてくれ、 江川夫人と私に手渡してくれたのには、何よりも感慨深く、長旅の緊張感をときほぐしてくれた。

この時貰った、かすみ草とバラの花束は、 旅行中にドライフラワーにして持って帰り、今も我が店に飾ってある。

外人風の女性は、ウィーン国立歌劇場のコーラスメンバーで、 24年前に日本からウィーンに渡り、苦労の末、今の地位を得たのだそうだ。

もう一人の女性は松本の出身で、紀代子さんとおっしゃり、御主人が そば畑の提供者であるホルバートさんと同級生であるとのこと。

彼女のおかげで今回の運びとなることができたそうである。

日本から遠く離れたウィーンで活躍する 日本女性の二人には感謝、感謝であった。

空港から40分位の郊外、ウルムの地に宿を取る。

長旅の疲れを皆でワイングラスを傾け癒す。

どれ位眠ったのか、小鳥の声で目が覚める。窓を開けると肌寒い。

少し朝焼けに染まった夜明けの風景は、まさに十月の菅平そのままの眺めで、 とても日本から遠く離れた他国にいるとは思えない親しさを覚えた。

勝手知ったるホテルらしく、 江川氏がチーズやハム、パン等を見つけて早い朝食を取り、四人一行、 ホテルから歩いて30分位の ホルバート邸へそばの刈り取りに行く。

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